Dr.ミュウの木曜日歯科教室19

イメチェン?


 
 お盆休みの時に、当医療法人のマスコットキャラクターの「ピヨ太郎」のイラストを描いてみました。せっかくなので、SNSのプロフィール画像設定しています。
 

ミュータンスレンサ球菌の母子伝播

 さて夏休みになると、子供の歯科検診・治療する機会が多くなりますね。
 今回は子供の虫歯発生の中で、注目される「母子伝播」について紹介します。

 虫歯の原因であるミュータンスレンサ球菌をはじめとする口腔細菌は、出生直後の赤ちゃんの口の中には存在せず、徐々にまわりの人達から伝播することが分かってきました(「母子感染」「母子伝播」という言葉が使われます)。これは子どものミュータンスレンサ球菌が母親由来のことが多いためですが(一番身近で食事などの世話をすることが多いためです)、母親由来ではない菌の場合もあり、身近で生活する大人たちの口の中の菌から、主に唾液を介して伝播すると考えられています。

 ミュータンスレンサ球菌には、砂糖をもとにして粘着性の物質を合成し、歯の表面に定着するという性質があるため、乳歯がまだ生えていない時期に口の中に入ってきてもすみ着けませんし、砂糖を含んだ食べ物を摂り始めないうちは歯の表面に定着できません。

ミュータンスレンサ球菌の定着が最も起こりやすいのは、乳歯が奥歯まで生えてきて、砂糖を多く含んだ甘味飲料やお菓子などを食べ始める「生後19ヶ月~31ヶ月」です(専門的に「感染の窓(window of infectivity)」と呼ばれています)。でも、それよりも前に定着が起こる子どもも少数ながらいるため、乳歯が生えてきたらある程度の注意は必要でしょう。

 ミュータンスレンサ球菌の伝播を避ければ、確かに虫歯は防げるかもしれませんが、一般の病原菌の感染予防のように厳密に考えすぎると、日常生活がかなり制限されてしまいます。

 ■ミュータンスレンサ球菌伝播防止のため避けた方がよいこと
  ・口うつしで食べ物を与える
  ・親と同じ歯ブラシを使う
  ・赤ちゃんへの口同士のキス

赤ちゃんへのキスも、ほっぺは問題ありません。あまり気にしすぎると、一緒に食事を楽しむ雰囲気がそこなわれたり、子どもとのスキンシップが少なくなってしまうことの方が心配です。

 また伝播のリスクを減らすためには、周囲の人たちが歯みがきをしっかり行ったり、虫歯の治療をきちんと行って、唾液中の虫歯菌の数を減らしておくことが重要です。

 しかし、ミュータンスレンサ球菌が口の中に入ってきたからといって、すぐ虫歯ができるわけではありません。ミュータンスレンサ球菌は、砂糖を利用して歯の表面に付着(定着)して歯垢をつくり、食べ物の中の糖分を分解して酸をつくって歯を溶かします。この状態が長く続くと虫歯ができてしまうのです。ミュータンスレンサ球菌の定着を抑制したり、虫歯の発生を防ぐためには、糖分(特に砂糖)の摂り方に気を付け、しっかり歯みがきすることが大切です。親子で一緒に歯みがきをして、虫歯予防をしていきましょう。

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